(解説・翻字 : 小町谷 照彦【こまちや てるひこ】 | 本学名誉教授)
おもちゃ絵~紙の上にひろがる学びと遊び~
1.子どもの風景
しんぱんこどもあそびづくし
(1)新板子供遊尽し
2.紙のおもちゃ
しんぱんおりかわりえごじゅうご
(5)しん板折かわりゑ五十五
折替わりの一つ。四枠の中で、中心の二枠を谷折にして折り込むと、異なった絵になる。「しんげんがとうがらしとなる」、「うへきばちがふりだいこになる」などがある。
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3.遊びと知識
だいしんしゅこうざしきかげえ しょへん
(6)大新趣向座しきかげへ 初編
影絵の手の形と映った画像とを掲げたもの。絵の説明がその時代の生活を彷彿させるものもある。「西洋の犬のかたちうつる」、「鴨のゑひらい」、「野中のうし」など。
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しんぱんしたきりすずめはなし
(7)新版舌切すゝめはなし
子供ばなしとされる絵本の一つ。周知の舌切雀の物語が描かれている。粗筋は記されず、物語は絵と登場者の会話で展開する。いじわる婆さんが雀を追い払ったので、やさしい爺さんが雀の宿を訪ねて行くと、雀たちは歓迎して酒宴を催し、土産に宝物の葛籠【つづら】を貰う。羨ましがった婆さんも真似をして雀の宿に行き、同様に土産に葛籠を貰って帰り、葛籠を開けると中に化物が入っていて、恐怖で腰を抜かす。婆さんは爺さんに訓戒されて己れの非を覚る。最後のせりふは、爺さんの「せうじきでなくてはいけませんぞ」の戒めに対して、婆さんが「これからかいしんいたします」と答えている。
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しんぱんこどもうたずくし
(8)新板子供哥尽
芳藤画
子供の歌を何図かに亘って掲げたもの。上とあるが、下はなかったか。歌い出しに歌唱符号が付いている。掲げられた歌は、「人まねこまね酒屋のねこが でんがくやくとて 手をやアいた」、「ううさぎうさぎ なにヲ見てはねる 十五夜お月さま見てはアねる ヒョイ ヒョイ ヒョイ」など。
※下線部は原本で踊り字(繰り返しの記号)で記されています。
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4.学びへのかけはし
しんぱんだんじょじれいがく
(10)新版男女児例学
例学というのは見慣れない用語だが、内容からすると、一般的・基本的な学習や芸事を指すものらしい。その絵尽ということになる。和歌、裁縫、習字、簿記、踊舞など。
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しんぱんはしふねづくし
(11)新版橋舩盡
橋や船を知るための教育図鑑。木橋、石橋、釣橋、桟橋、細流小橋など。
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